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「The Day I Become a God」のあとに何かいる・・・
🐟
・・・金魚?
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考察2
考察2では、前回、取りこぼした考察について書いていく。アニメは娯楽であって脳味噌空っぽにして観るものだけど、私にとっては、考察しながら観るのもありだと思う。
ただ、今回は軽めの考察にしておこう。
- 神話ネタ
- 金魚
- 主題歌
神話ネタ
『神様になった日』では神話ネタが多い。オーディンとは北欧神話、イザナミとは日本神話だ。第一話で主・成神陽太とバスケをしていた少年・国宝阿修羅、アシュラはインド神話である。会話中に「ハーデスさんのお家はどこかな?」のハーデスはギリシア神話である。
北欧神話、日本神話、インド神話、ギリシア神話と様々でてくるので返って深い意味はないように思える。
(キャラの名前を考えるのは案外面倒だ。そこであるグループにちなんだ名前を付けるような創作側の話がある。)
ちなみに、謎の組織、世界的IT会社はフェンリルというらしい。
フェンリルは北欧神話におけるロキの子で、姿は狼、弟に大蛇ヨルムンガンド、妹に死の女王ヘルがいる。そして、終末戦争ラグナロクにおいて、フェンリルはオーディンを丸呑みにして殺している。
で、この話が『神様になった日』に絡んでくると、安直に考えるなら、佐藤オーディンさんは組織フェンリルによって排除させられる、というシナリオになる。
金魚
タイトルに描かれることはそれなり意味があるに違いない。
キンギョ(金魚、学名: Carassius auratus)は、フナの突然変異を人為的に選択し、観賞用に交配を重ねた結果生まれた観賞魚。飼育が容易であるため、世界中で親しまれている。
気になるワードは、突然変異、人為的、選択、という言葉だ。
前回の考察で、物語の舞台は仮想世界だと語った。その中で私は次の考察を述べた。
なぜ神を自称するロリ(エラー)が生まれたかというと、誰かによって生まれさせられた、または、自然発生したからである。
自然発生したのなら、この仮想世界を開発したことでエラーは自然に発生し開発したこと自体が間違いだったと解釈できる。これは先ほど述べたものだ。
しかし、誰かによって人為的にうみだされたのではわけが違う。この仮想世界を壊そうとする悪の組織がいて、人為的にエラーである「ひな」というウイルスを開発したということだ。
「愚かな人類の選択のせいでこの世界は終わる」とは、”悪”に分類される人類が「ひな」というコンピュータウイルスを開発した選択こそがこの世界の終わりだと解釈できるのである。
この解釈だと、悪の組織が登場するのも自然になる。
と、「ひな」の出自について考察したのだけど、人為的または自然発生と二つの考察がある。金魚の件を踏まえると、やはり、人為的のほうが正しいことになる。新しく言い換えるとこうなる。
「ひな」というコンピュータ上システムがあった。最初は害はなかったが、”悪”に分類される人類(組織フェンリル)によって、「ひな」は人為的に選択されられて、悪い方向へ進化し、世界を滅ぼす存在になった。
「愚かな人類の選択」とは、本来、「ひな」は良い方向に進化できたが、人類は悪い方向へと進化させたという選択である。成長するコンピュータ上のシステムとは、いわゆる、人工知能AIであるとも考えられる。
ここで話は変わるが、仮想世界を正しいとするならば、主・成神陽太の住む世界が仮想世界で、主・成神陽太とその登場人物すべてがシュミレートされた人類であり、「ひな」が外の世界からやってきたプレイヤーと考えることが多い。神を自称するのであるから、この仮想世界を開発したプログラマーもしくはシステムを管理できる立場の人間だと。
だが、神を自称するロリがプログラマーもしくはシステムを管理する人間だとは考えにくい。
そして決定的な証拠がある。
©VISUAL ARTS / Key / 「神様になった日」Project / PV2
PV2段のカットに「ひな」と思われる人物のシルエットに金魚が描かれている。つまり、「ひな」が金魚であるということだ。
苗字がない
公式ホームページのプロフィールには「ひな」としか書かれていない。作中では、「佐藤」と言っていたが、それならば「佐藤ひな」と書かれているのが自然だ。物語の設定では「ひな」が正しく、作中で佐藤おでんさんが言った「佐藤」はミスリードである。彼女には苗字(ファミリーネーム)がなく、家族もいない、ただの「ひな」である。だからこそ、作られた存在もしくはそれに類するものだ。
それに金魚はフナの突然変異だとわかったので、「フナ」→「ひな」だとも考察できる。さすがに駄洒落がすぎるか。
仮想世界にはNPCと普通の人類がいる説の矛盾
私は、単に仮想世界ではなく、システムから生み出させた人類とプレイヤーである人類がいる仮想世界だと述べた。この説によって、「ひな」はシステム上のことは知れるがプレイヤーのことは知れないとし、「ひな」の知っていることと知らないことの線引きをしたのだ。
自ら関わりをもっていったわりに主人公の名前すら知らなかったのに、主人公が想いを寄せるイザナミさんが野球好きなのを知っていた。これは、イザナミさんはシステムから生み出された人類NPCで、主・成神陽太はプレイヤーであったからだ。
と説を立てた。
が、第一話において、主・成神陽太が迷子だとか交番だとか質問するのを先読みしたり(単に道中で同じ経験をした可能性はある)、主・成神陽太の母が宿泊を許可することを知っていたりしていた。先読みできるということは、二人はNPCだということだ。つまり、プレイヤーかNPCかで矛盾が生じるのだ。
ひなが遠い親戚であることを母・時子から聞かされた陽太は、成神家にひなを居候させることをしぶしぶ納得する。 そしてひなは、映画制作をきっかけに片想い中の幼馴染み・伊座並との距離を縮めるよう、陽太に助言し――。
第二話のあらすじから、遠い親戚である、ということをどう解釈するかである。本当に親戚であるか、単に匿うための口実だとも読み取れる。匿うためだとしたら何のために誰から守るのかが疑問点だ。誰から守るかは、どうせ悪の組織フェンリルだろう。では、何のために守るのかがわからない。
たとえば、NPCの中でより高性能なNPCを生み出す研究があった。NPCたちは専用の施設で教育をうけることになり、成神時子はその施設に縁があった。「ひな」は施設から脱走して、縁があった成神時子に連絡がはいった。だから成神時子は「ひな」を匿った。
なんて、いくらでも考えることができる。
全員NPCだと仮想世界である必要がない
登場人物が皆、NPCだと仮想世界という説は必要なくなる。これは現実世界にも言えることだ、たとえば、私は実はNPCであなたもNPCなんですと言ったら、何か変わるのか? ということだ。
仮想世界を設定する以上、中の世界と外の世界が存在して、区別できることが重要なのである。逆に、登場人物が皆、普通の人間だとしたらそれこそ「ひな」が異質であって、世界そのものが異質なわけではない。
「ひな」が異質だということは、たとえば、実はアンドロイドで人工知能を搭載したロボットでした、なんて展開である。これは、作られた存在もしくはそれに類するものにも当てはまる。だが、作中ではそれを否定するように、血気盛んなようすが描かれている。
神と勘違いした余命30日の少女
『神様になった日』は、ループ世界だとか、仮想世界だとか無しに。単に、余命30日の中二病の少女が残りの人生を楽しみたいと言う話だと普通は思う。だが、これから起こることを淡々と言い当てることで、そうではないと主張している。
「ひな」の目的
さて、「ひな」の目的はなんだったのか思いだそう。何かおかしなことに気づくはずだ。主人公・成神陽太に会いに来た? そうではなかったはずだ。第一話でちゃんと名言している。
「わしの目的はまず、貴様らがやっていたボールを輪っかにくぐらすゲーム、あれを嗜んでみたい。他にもいっぱいあるが、まずはあれからじゃ」(第一話・セリフ)
そう。「ひな」はただこの世界を楽しみたいだけだ。主人公に接触したのも、たまたま、バスケをやっていて、それに「ひな」が興味をもったからだ。「自らの意思で此処に来た」と豪語しているが、「主人公に会いに来た」とは言っていない、接触したのは主人公がいればバスケを遊べるからだ。だからこそ、主人公の名前すら知らなかったのである。
前に、
NPCでありながらシステムに干渉できるようになった神を自称するロリが、自身を神だと勘違いした一夏の物語。
と言ったが、案外、本当に勘違いしてるだけかもしれない。
「30日後にこの世界は終わる」(第一話・セリフ)
このセリフも考えによってはおかしい。「ひな」は全知の神であるから、30日後にこの世界が終わることを知っていた。ならば、本当は「この世界を救ってほしい」というのが本来あるべき発言である。そして、もし「ひな」じしんが世界が終わるきっかけになるとう説が正しいとするならば、「私を殺してほしい」と言ってもおかしくない。
「ひな」は世界が終わるのを知っていながら、何の抵抗もせず、ただこの世界を楽しみたいわけだ。
この状況をどう再現するかだが、たとえば、絶対にバットエンドになるゲームをプレイしているような感じである。ゲームをプレイしている「ひな」にとってゲームの結末がどうなろうが関係ない。世界が終ろうがハッピーエンドになろうが、ゲームとしての世界を楽しむのである。
つまり、「ひな」にはこの世界に対する愛着がない。別の世界からアクセスしている可能性がある。それこそが、仮想世界の説だが。
(別の世界から並行世界を考えられるが、私の見解では、並行世界と仮想世界は同一のものである。私は並行世界を題材にした物語を書いたり、並行世界について考察したりしている。並行世界=仮想世界なので、ここでは仮想世界だけを考察していく。何も、並行世界という題材がKeyというブランド作品にもっていかれるのが、底辺物書きとして怖いなんて思っていない)
矛盾を回避する方法
さて、NPC仮想世界の矛盾をどうすべきなのか。私ごとだが、自分の立てた仮説が勝手に矛盾してしまうなんてことは、日常茶飯事である。ここで矛盾とは”説”自体を否定するものでなく、ある”時点”での誤りやアイディアがかけていることが多い。
単に仮想世界としても"「ひな」が知っていることと知らないことの線引き”ができない、とういう問題(矛盾)は、仮想世界そのものを否定するのではなくて、新たにNPCというアイディアを導入することで解消できたとした。そして、新たにできたNPC仮想世界を考察していくと、矛盾が生じた 、ということは、”NPCというアイディア”が間違いだったというわけだ。
では、”「ひな」が知っていることと知らないことの線引き”をどうすべきかが考察の対象である。
ここでやりがちなのが、”NPC”というアイディアそのものが間違いだとして、これを放棄することだ。こういった矛盾に対しては、制約をもたせることで矛盾を回避することができることがある。
たとえば、NPCの中にも上位個体と下位個体がいて「ひな」は下位個体の情報しか知り得ない、といった”上位個体”とか”下位個体”とかのアイディアを追加することで矛盾を回避する方法である。
矛盾が発生したのは、主・成神陽太の質問を先読みしたことと、母・成神時子が宿泊を許可することを知っていたことだ。
今回は軽めなので問題提起だけにしよう。
(矛盾を回避する方法は、矛盾が生じたアイディアから遡って考え直す、もしくは、矛盾に制約をもたせるアイディアを考えることである。この二つのことは別に思えるが、同じ結論になることが多い。)
ループ世界の可能性
仮想世界を放棄したとき、自然とループ世界について考察になる。私は、ループ世界だと”「ひな」が知っていることと知らないことの線引き”ができないのでループ世界はないとして、仮想世界を考えた。
©VISUAL ARTS / Key / 「神様になった日」Project / 一話
それに、カントダウン「世界の終わりまで、あと 30日」なんて描写があれば尚更である。カウントダウン付きのループ世界なんてカウントダウンの意味がない。どうせループするのだから本当は30日じゃないやん、となるはずだ。
カウントダウン付きのループ世界なんて・・・。カウントダウン付きのループ世界? あれ? 同時期に放送されてる作品にそんなアニメがあったような・・・
(私が裏で執筆している物語もカウントダウン付きのループものだったり・・・)
では、肯定的に考察してみよう。
ループ世界でカウントダウンをする理由は、ループしたことを分かりやすくするためだ。「世界の終わりまで、あと 1日」が「世界の終わりまで、あと 3日」になったら、視聴者は「ああ、戻ったんだな」と納得しやすい。
ただ、作中でカウントダウンを描写するのは大変難しい。キャラに発言させるのも何か不自然になってしまう。ある作品はひめくりカレンダーを使っていた。『神様になった日』はキャラの発言でも風景でもなく、映像作品であるのに”文字”、という意外な方法を使ってきた。映像やゲーム特有のイラストで描写できてしまう点、底辺物書きの私にとっては嫉妬しなくもない。
こほん。ともかく、ループ世界だとしても、”「ひな」が知っていることと知らないことの線引き”ができなければ意味がない。
仮想世界にしろ、ループ世界にしろ、ネックになるのが、”「ひな」が知っていることと知らないことの線引き”である。
ループ世界で知ってることと知らないことの線引きとは、たとえば、ループすることで記憶が消去されていく、とか? 分かる人には分かるが、さすがにこれは無いだろう。
主題歌
主題歌は作品に直に関わりをもつが、作品から主題歌が作られたのであって、主題歌から作品の内容を逆算するのは不可能に近い。

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- アーティスト:麻枝准×やなぎなぎ
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- メディア: CD
最近は、CDを再生する機械がなくなっている。パソコンにもCDドライブのないものも多いし、PS3はCD再生できるがPS4はできない。PS4ゲームのオーディアトラックがCDであるのにPS4では再生できないという不思議な状態になる。まあ、外付けドライブを使えをいうことだろう。オフラインでも音楽が聴けるというのは若者にとっては逆に新鮮だという話もあるらしい。
ちなみにiTunesにはまだリリースされてない。
ちなみに、外付けドライブがCDに対応しているかはロゴをみればわかる。



読み込み、書き込みができるかはAmazonカスタマーQ&Aを活用してほしい。
大抵、CDでやりこいことはCDを取り込んでiTunesで聴けるようにすることだろう。こういう機械の場合、プレイヤーソフトが必要だったりするので気をつけてほしい。
結局、iTunesでリリースされるのを待ったほうが賢い。
さて、本題に戻ろう。歌詞から物語の内容を逆算するのは不可能である。たとえば、前作『Charlotte』のOPを聴いて内容と一致するかと言われたら唸るしかない。
ただ、映像は違う。歌詞と違って映像には、ヒントをいれることができる。だが、第一話の時点ではOP映像はないしEDはスタッフロールだったので考察しようがない。
ここに限っては第二話が放送されるのを待つしかないのである。
考察のまとめ
前回の考察では、物語の理論にあてはめて、物語がどうあるべきかを考えた。AストーリーとかBストーリーとかいうのは、いわゆる、三幕構成である。
Aストーリー(アニメ第四話付近)では、平凡で楽しい日常を描くのだから、第二話は映像研、第三話はバスケ、主・成神陽太の母と父がいる家庭に馴染んだ謎の少女・ひなが描かれる。
つまり、二話では物語のキーになるものは得られないであろう。考察対象はOP・ED映像だ。
ループ世界か仮想世界かは、やはり、仮想世界を押したい。「人類が終わる」のではなく「世界が終わる」という発言から世界というワードがキーになっている。ただ、NPCというアイディアをいれるには、さらに、アイディアを追加する必要がある。
- 「ひな」は作られた存在もしくはそれに類するもの
- 「ひな」は世界が終わるのを知っていながら、抵抗もせず、この世界を楽しみたい
- 「ひな」が知っていることと知らないことの線引きをする新しい考察が必要
終わり
2020/10/15
書き忘れてたので追記。『神様になった日』とあるが、30日という夏の期間であるなら『神様になった夏』にしたほうが自然である。これはやはり、神に成るのは「ひな」ではなく主・成神陽太が一日だけ神様になることを意味してるのではないか。
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